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1.17

運命の悪戯に翻弄されるまでは

何もかもがいつもと同じだった。


街の情景も

我が家までの道のりも

家族との会話も

娘とのふれあいも


あの日私は

これから起こりうる運命を知る由もなく

いつしか深い眠りについていた。

外ではまだ薄暗く新聞配達員が活動する早朝

誰に邪魔されることなくグッスリ寝入っていた。

だが、そんな時

突然始まったのです。


午前5時46分52秒


ドガガガガーンっと凄まじい地響きと共に

身体が布団ごと宙を舞い

床に叩き落とされたと思えば

横揺れに支えていることさえ出来ず

何かに摑まろうと必死でもがこうとするが

たちまち箪笥は倒れ

水屋はひっくり返りガラスの破片を撒き散らし

熱帯魚の水槽は崩壊し部屋中水浸し

揺れがおさまった後、何が起こったのかさえ分からず

一瞬でめちゃめちゃになった家中を見渡し

茫然と立ち尽くしていた。

その後、数十分経ってだろうか

ハッと我にかえり気が付けばパジャマ姿のまんま

家族を連れて無我夢中で家の外へと飛び出していた。

見合わせたまわりのご近所さんも同じ状況だった。

お互いの無事を確かめあい一度は安心して家へ戻るが

本当の試練はこれからだった


停電で灯りもともせず薄暗い部屋のなか

テレビの緊急速報も見れず

何が起こったのか全く分からない

それに寒さを凌ぐ為の暖房さえ使えない

水道も断水、ガスも遮断され温かいお茶も飲めない

親戚、知人などの安否を確認する電話も不通で

情報が途絶えたままライフラインも全て断絶された

八方塞がれ手詰まりになった自分は暫く考えた

もうこうなったら自分に出来ることだけをやろうと決めた


先ず、家の事は家内に任せ

バイクにまたがり職場へと向かったが

いつもの街並みが

たった数秒の出来事で情景はガラリと変貌していた

土埃と黒煙が立ちこもる街は薄暗く視界が悪い

電柱はなぎ倒されビルは崩れ横たわり道路は寸断されている

家屋はガレキの山となり炎が立ち上がる

鳴りっぱなしの非常ベルにガスの臭い

救助を求め泣き叫ぶ人の声

ガレキとなった我が家の前でふさぎこむ人々

一点だけを見つめ呆然と立ち尽くす家族

その目線の先にはガレキに紛れた手や足が見える

が、しかし既に…。

その脇では倒壊された家屋の中からは薄っすらと聞こえる人の声

それを聞いて黙って見過ごす訳にもいかず

見ず知らずの群衆と一緒に埋もれてる人を励ましながら

崩れた瓦屋根を必死にかき分け木片を取り除くと

やがて梁に挟まった人影が見えてきた。

「ヨシ。まだ生きている」 

ひとりの命を救えたその瞬間

みんなと抱き合って本当に喜んだ

だが、隣の家屋では身内の不幸を悲しむ人もいる。。。


そんな地獄のような光景が果てしなく広がっていた

あの日あの時

どれだけ人の生と死に直面しただろうか…

それは短時間で全てを語れない程

1.17は長い長い一日だった。




この街がこの人々が

前向きに生きる姿勢を忘れず支えあい

悲しみに耐え明日を夢見てきたから

今日という日がある。


あの日

志し半ばで息絶えた6434人の犠牲者を

私たちは決して忘れはしない。


  1. 2010/01/17(日) 16:08:30|
  2. ターの独り言
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